鶏むね肉、安くてヘルシーだけど……
「どうしてもパサつく」「ジューシーに仕上がらない」「傷みやすい」と悩む人、多いんじゃないでしょうか。ですが鶏むね肉はうまみ成分だけで言えばとりもも肉以上。脂身が少なくてパサつきやすいだけなのでそこを解決すればむしろむね肉の方がうまいまであります。(僕はなにかとむね肉派です)
そんなときに頼りになるのが“ブライン液”という下ごしらえの技。
今回は、十数年かけていろんな配合を試してきた中で、バランス・手軽さ・効果のどれも優秀な“スーパーブライン液”を紹介します。
やることはシンプル。
どこの台所にもある、「塩・砂糖・水」に肉を漬けておくだけで、驚くほどしっとり、旨味もしっかり乗った仕上がりになります。
ぜひ一度、試してみてください。
材料(鶏むね肉 約900g=約3枚分)
- 鶏むね肉:900g
- 水:300ml
- 塩:9g(=水の重量の3%)
- 砂糖:15g(=水の重量の5%)
- 味の素:小さじ1/2
※味の素は、素材の味を変えずにうま味を底上げする隠し味的存在。苦手なら省略も可です。出汁昆布を切って入れたり、ハーブ類を入れたりもあり寄りのあり。塩と砂糖の量を増やせば味付けもできるけど、できれば、まずはそのままお試しください。
作り方
① 鶏むね肉は皮をはがしておく
(もちろん皮付きでも問題なし。何の料理に使うかで変えよう。)
② 材料をすべて保存袋(ジップロックなど)に入れ、調味料がしっかり溶けるように揉み込む
③ 空気を抜いて袋の口を閉じ、冷蔵庫で6時間以上~最大2日間漬け込む
④ 使用時はキッチンペーパーで水分を拭き取って、いろいろな料理に使うだけ!
どのくらい漬ければいい?保存期間は?
- 最低6時間、できれば一晩(12時間程度)が理想(2日くらいはいける)
- 冷蔵保存で2日以内に使用
- そこまで保存性が上がるわけでは無い。(そのままより1~2日程度)
ブライン液は再利用できる?
衛生的におすすめはしません。 余ったら捨てましょう。コスパは高いので使い切りで十分。
鶏むね肉の切り方
鶏むね肉は繊維の向きによって、固さや食感がかなり変わります。
基本の考え方は以下のとおり:
- 繊維に沿って切る:歯ごたえが強くなる(固く感じやすい)
- 繊維を断ち切る方向に切る:噛み切りやすく柔らかい
- 斜めにそぐように切る:大きく薄く広がる、牛タン風の食感
料理別のおすすめの切り方(から揚げ/とり天/そぎ切り)
から揚げ、とり天など:繊維を断つように一口大にカット(ジューシー)
サラダや炒め物:そぎ切り(柔らかく仕上がる&見た目も◎)

(※筋肉の塊に沿うようにこんな感じで三等分。)

(※写真の白い点線が繊維の向き。とり天やから揚げの場合は赤い線を参考に繊維を断ちきるとグッド)
こんな料理に使える!
- ソテーしてもパサつきにくい
- 天ぷらやフライにすれば、引くほどしっとりジューシー
- 冷めてもおいしいからサラダやお弁当にも◎
さらにこのブライン液、鶏むね肉以外の食材にも応用可能です。
たとえば、
- 脂身の少ない豚ヒレ肉や牛赤身肉
- タラやスズキなどの白身魚
こういった**「パサつきやすい」「水分が抜けやすい」素材**に使えば、ぐっと仕上がりが良くなります。
下味の一歩手前の“ひと手間”として、覚えておくと便利です。
最後にちょっとだけこだわり解説
ブライン液の基本的な原理は、塩と砂糖でタンパク質の構造を緩め、水分を抱え込ませること。
これにより、加熱してもパサつかず、ジューシーな仕上がりになります。
さらに今回はそこに**味の素(=うま味成分)**を加えて、味を変えずにうまさだけ底上げしました。
もうひとつ重要なのが、塩や砂糖の量を「水の重量」に対してパーセントで計算するという点。
鶏肉の重さじゃなく、水基準でやることで、安定した効果が得られます。
普通の鶏むね肉がちょっと値段の高い高級な鶏肉みたいになります。
“スーパーブライン液”、ぜひ活用してみてください。
スーパーブライン液を使ったおすすめレシピ

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